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君の光になる。

第10章 ラブホテル

 夕子は毛足の長い絨毯に案内されるように歩を進めた。
 
 上に吸い込まれるような感じがした。エレベーターだ。革製品の匂いが遠ざかる。
 
「ここ……この部屋です」
 
 重厚な扉の音が聞こえた。押し出された空気が髪を揺らした。
 
「……入りましょう」
 
 と、安倍が息を飲むような声で促す。少し入ったあとで、カンとドアを施錠する固い音が響いた。
 
 胸が高鳴った。
 

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