
その瞳にうつりたくて…
第2章 音色
もしかして、と思った俺の予想は当たっていた。
目が悪い?
じゃあ、今も俺の顔は見えてない?
「はい。景色とか…、そういうのが全部ボヤけて見えるんです。お兄さんの顔もハッキリ見えなくて」
お、お兄さん…?
お兄さんと呼んで貰える年齢はとっくに過ぎたが…。
目が悪いなら説明がつく。
さっき、俺がほうきを倒した時にこちらをじっと見つめていたのも
足元に転がるほうきに気づかないのも無理はない。
でも
「え、でもさっき、ピアノ弾いてたよね?」
目が悪いのに、どうしてピアノが弾けたんだ?
これぐらいの距離で俺の顔が認識出来てないなら鍵盤すら見えないんじゃ。
「ピアノは昔から弾いてますから、指の感覚や音で弾けるんです」
ニコッと笑った彼女。
目が悪くてもそんな事が出来るのか…?
それとも、絶対音感ってやつか?
「あ、あぁ、そうなんだ」
ってことは、彼女は俺の事をわかっていない。
戦隊物の主役だった俺には気づいてないのか。
「本当にすいません。もう大丈夫ですから」
俺の手を掴みながらゆっくり立ち上がった彼女。
さっきは気づかなかったが、ずいぶんと小柄な子だな。
顔を見る限りずいぶん若いし、やっぱりここの生徒か。
「それじゃあ、私はこれで」
「え、あ…」
目が悪い?
じゃあ、今も俺の顔は見えてない?
「はい。景色とか…、そういうのが全部ボヤけて見えるんです。お兄さんの顔もハッキリ見えなくて」
お、お兄さん…?
お兄さんと呼んで貰える年齢はとっくに過ぎたが…。
目が悪いなら説明がつく。
さっき、俺がほうきを倒した時にこちらをじっと見つめていたのも
足元に転がるほうきに気づかないのも無理はない。
でも
「え、でもさっき、ピアノ弾いてたよね?」
目が悪いのに、どうしてピアノが弾けたんだ?
これぐらいの距離で俺の顔が認識出来てないなら鍵盤すら見えないんじゃ。
「ピアノは昔から弾いてますから、指の感覚や音で弾けるんです」
ニコッと笑った彼女。
目が悪くてもそんな事が出来るのか…?
それとも、絶対音感ってやつか?
「あ、あぁ、そうなんだ」
ってことは、彼女は俺の事をわかっていない。
戦隊物の主役だった俺には気づいてないのか。
「本当にすいません。もう大丈夫ですから」
俺の手を掴みながらゆっくり立ち上がった彼女。
さっきは気づかなかったが、ずいぶんと小柄な子だな。
顔を見る限りずいぶん若いし、やっぱりここの生徒か。
「それじゃあ、私はこれで」
「え、あ…」
