
その瞳にうつりたくて…
第3章 再会
「君はこの学校の生徒さん?どこのコース?」
「一応生徒です。今は休学中なんですけど」
「休学中?」
彼女は柔らかな声で俺に教えてくれた。
自分のことを、ゆっくりとした優しい声で。
「この学校に通って、ピアノで弾き語りの出来るアーティストになりたかったんですけど、入学式の日、ここに来る途中で事故にあって。それが原因で目が…」
それは、今から2年も前の事だった。
彼女が横断歩道を渡ろうとした時に、居眠り運転の車と衝突。
一命はとりとめたが変わりに視力を失った。
「外が明るいとか暗いとか、ちょっとした道や景色は見えますけど、全部靄がかかったみたいにボヤけて見えるんです」
それじゃあ、彼女の目には俺は映ってない。
映っていたとしても、ぼんやりボヤけた蜃気楼のようにしか映っていない。
「一応、休学って事にしてもらってますけど、正直もう夢は諦めようかなって。でもピアノは好きだから、ここの理事長さんに頼んで特別に出入り許可を貰ってピアノだけは弾けるようにしてもらってるんです。視力のリハビリにもなるし」
なるほど。
って事はもしかしたら平井先生のコースに入学する予定だったかも知れない。
しかし、これで謎のうちの1つは解けた。
彼女の正体は、視力のリハビリとしてここにピアノを弾きに来てるだけの生徒。
理事長からの許可も下りてるなら問題はないだろう。
この音楽室は今では誰も使ってないらしいしリハビリするにはちょうどいい。
しかし、俺が知りたい謎はもう1つある。
「一応生徒です。今は休学中なんですけど」
「休学中?」
彼女は柔らかな声で俺に教えてくれた。
自分のことを、ゆっくりとした優しい声で。
「この学校に通って、ピアノで弾き語りの出来るアーティストになりたかったんですけど、入学式の日、ここに来る途中で事故にあって。それが原因で目が…」
それは、今から2年も前の事だった。
彼女が横断歩道を渡ろうとした時に、居眠り運転の車と衝突。
一命はとりとめたが変わりに視力を失った。
「外が明るいとか暗いとか、ちょっとした道や景色は見えますけど、全部靄がかかったみたいにボヤけて見えるんです」
それじゃあ、彼女の目には俺は映ってない。
映っていたとしても、ぼんやりボヤけた蜃気楼のようにしか映っていない。
「一応、休学って事にしてもらってますけど、正直もう夢は諦めようかなって。でもピアノは好きだから、ここの理事長さんに頼んで特別に出入り許可を貰ってピアノだけは弾けるようにしてもらってるんです。視力のリハビリにもなるし」
なるほど。
って事はもしかしたら平井先生のコースに入学する予定だったかも知れない。
しかし、これで謎のうちの1つは解けた。
彼女の正体は、視力のリハビリとしてここにピアノを弾きに来てるだけの生徒。
理事長からの許可も下りてるなら問題はないだろう。
この音楽室は今では誰も使ってないらしいしリハビリするにはちょうどいい。
しかし、俺が知りたい謎はもう1つある。
