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その瞳にうつりたくて…

第3章 再会

「でも、昔の戦隊物って楽譜とかないから全部耳コピなんですけどね」

耳コピってことは、この子はやっぱり絶対音感があるんだな。
リハビリにピアノを選ぶくらいなのだから相当ピアノが好きなんだろう。

「でも、凄くよかったよ」
「本当に?」

この子の奏でるピアノの旋律に引き寄せられてこの音楽室に来てしまった。
出演してた俺でさえ聞き入ってしまう音色だった。
昔見てた…って言ってたから、少なく見てもこの子は20代前半ぐらいか?
こんな若い子の記憶に残れるなんてある意味光栄だ。



「特に、主役のレッドがかっこよかったんですよー!!」
「えっ!?」

その台詞に俺は思わず大声を出してしまった。
主役のレッドって…、俺じゃん!

「仲間思いのところとか、ちょっとワイルドなところとか、もう~全部が素敵っ!かっこいい!!」
「え…、あの…」

嬉しそうに楽しそうに話してるが、当のレッド本人は君の真横にいますが…っ?
しかし、彼女に俺は見えていない。
彼女は俺が主役のレッドだと気づいていない。

「当時、私はまだ4歳だったけど、レッドのかっこよさに毎週ドキドキしてたんですよー!」

え?俺っ!?
俺のかっこよさにドキドキ?
当時4歳だったって事は、この子は今24歳ぐらいか。

いや、そんな事より…。

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