
その瞳にうつりたくて…
第4章 she is...
考えがまとまらない。
水城 綾。
彼女の初恋は俺。
でも、それは戦隊物の主役のレッドというキャラクターで本当の俺じゃない。
でも、子供の頃の恋は麻疹のように突発的だから正体を明かしても大丈夫だと思った。
が、女性にとって初恋は特別なもの。
変わってしまった現実を見たくない、がっかりしたくない…。
「はぁ…っ」
俺はビールジョッキに半分ほど残っていたビールを一気に流し込んだ。
…くそっ、イライラする。
っていうか、このまま彼女に会わないようにすればいいだけの話だ。
そうすれば正体がバレる心配もないし、彼女の初恋を壊したくないとか何とか…、そんな心配もしなくていい。
俺の正体は明かさずこのまま会わなければいいだけ。
あの音楽室に行かなければいいだけ。
彼女があのスクールに出入りしてる時点でいつかは俺の噂を耳にする日が来る。
その時はその時、覚悟を決めて彼女の反応を受け止める。
そんな簡単な話なのに俺は何をこんなにイライラしてるんだ?
何をこんなに焦ってるんだ?
彼女の目が悪いのを良いことに自分の拠り所を見つけた気がしてた。
俺が誰かわかっていないから、素の自分が出せると思ってしまった。
けど、本当は誰よりも近づいてはいけない相手なのかも知れない。
彼女にだけは、幻滅されたくない。
いい歳をして、まだそんなプライドを持ち続けてる自分が心底情けなくなった。
水城 綾。
彼女の初恋は俺。
でも、それは戦隊物の主役のレッドというキャラクターで本当の俺じゃない。
でも、子供の頃の恋は麻疹のように突発的だから正体を明かしても大丈夫だと思った。
が、女性にとって初恋は特別なもの。
変わってしまった現実を見たくない、がっかりしたくない…。
「はぁ…っ」
俺はビールジョッキに半分ほど残っていたビールを一気に流し込んだ。
…くそっ、イライラする。
っていうか、このまま彼女に会わないようにすればいいだけの話だ。
そうすれば正体がバレる心配もないし、彼女の初恋を壊したくないとか何とか…、そんな心配もしなくていい。
俺の正体は明かさずこのまま会わなければいいだけ。
あの音楽室に行かなければいいだけ。
彼女があのスクールに出入りしてる時点でいつかは俺の噂を耳にする日が来る。
その時はその時、覚悟を決めて彼女の反応を受け止める。
そんな簡単な話なのに俺は何をこんなにイライラしてるんだ?
何をこんなに焦ってるんだ?
彼女の目が悪いのを良いことに自分の拠り所を見つけた気がしてた。
俺が誰かわかっていないから、素の自分が出せると思ってしまった。
けど、本当は誰よりも近づいてはいけない相手なのかも知れない。
彼女にだけは、幻滅されたくない。
いい歳をして、まだそんなプライドを持ち続けてる自分が心底情けなくなった。
