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その瞳にうつりたくて…

第4章 she is...

でも、今の音は俺もびっくりしたな。
うちのスクールは防音設備だけはしっかりしてるし、中にいる間は外の雷鳴が聞こえなかった。
まさか外でこんな嵐になってたとは…。
ここの音楽室の防音設備はそこまでしっかりしてないし窓ガラスも頑丈じゃない。
雷の音がダイレクトに聞こえても無理はない…。



が、そこで俺はあることに気づいた。

ん?何か、俺の胸元に違和感が…。




「――――――っ!?」

今の雷鳴に驚き雷に気を取られてしまっていたが、気づけば彼女が俺の胸の中にすっぽり収まっていた。
俺も思わず彼女の肩を抱き締めてしまっていた。

「あ、あの…っ!いや、あのっ!その、ごめ…っ!!」

やべ…、思わず彼女の肩を抱き締めているが、成り行きとは言えこれじゃ完全にセクハラじゃねぇかっ!!

「わ、わざとじゃねぇんだけど…っ、そのお、思わずっ!!」

つーか、この子は一応このスクールの生徒だ。
指導員が生徒にセクハラなんて洒落にならねぇ。
とりあえず、彼女から体を離そうと彼女の肩を持ったが

「やだっ!待って!!」
「え?」
「私、雷ダメなんですっ!だ、だからもうちょっと、こ、このまま…」

え…、いや…、もうちょっとこのままって…。

こ、こんなに近かかったら彼女に俺の正体がバレやしないだろうか。
彼女の視力が悪いと言っても全く見えてない訳じゃないし、何の拍子で俺の顔が見えてしまうとも限らない。

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