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ikumiの体験

第2章 潜入

予定通りikumiがホテル員に扮する。
ikumiは身長155センチ。体重は48キロ。細身だが筋肉質の体をホテルの制服であるスーツに身を包み、作戦準備をする。部隊では小柄ではあるものの、その身のこなしは他を圧倒するものであった。
予定通りの時刻にターゲットが入室。入室したことを確認し、部屋のドアをノックする。

カンマーは特に警戒することなくikumiを部屋に入れる。
「?」ikumiは違和感を感じる。

室内には一人しかいるはずがなかった。しかし、奥の部屋からバスローブに身を包んだ身長170センチ以上あろうかという長身の女がターゲットの横に深く腰を据えている。
違和感を感じながらもikumiはその女はカンマーが呼んだ売春婦だと思い、気にせずソファセットに腰掛けるターゲットの前に跪き深々と礼をする。
そして顔を上げようとする次の瞬間、立ち上がると同時に全身のバネを使い一気に後ろ回し蹴りをターゲットの頸部めがけて叩き込む。

ゴッ

鈍い音とともにikumiの右踵がターゲットを捉えたかに思えた。
しかしikumiが捉えたのはターゲットの頸部ではなく、横に座る女の上腕であった。
Ikumiの攻撃は速い。しかしその速度を上回る身のこなしで、女がカンマーへの攻撃を防御したのだ。
すぐさまikumiはバックステップで二人との間合いを取る。
(くっ…護衛か…)

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