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ダブル不倫

第6章 部長室

 ――美希のヤツ……。
 
「え、あ……ご、ごめんなさい……すぐ確認してきます」
 
 奈々葉は頭を下げた。後ろに一歩下がり踵を返す。
 
「ああ……、いや、コーヒー飲みたいな。お前……宮崎の……。いや、時間があるときでいいからさ……」
 
 ――えっ?
 
「コ、コーヒー……あれ……やすーいインスタントですけど……」
 
「やすーいのでいいんだ。お前の作ったコーヒーが飲みたい……」
 
 里井が無表情な目を細める。
 
「はいっ、少しだけ待ってくださいね」
 
 菜々葉は舞い上がった。
 

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