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ダブル不倫

第9章 タオルハンカチ

 自宅の玄関を開ける。夫の信也はもう寝室にいた。落ち着くのか夫婦のダブルのベッドの壁際で寝息が聞こえる。
 
「あれ……?」
 
 ――誰か来たのかしら……。
 
 奈々葉はそう感じた。理由はないが……。
 
 ――もしかして、誰かと不倫とか……。
 
「信也さん……」
 
「ん……ああ、お帰り……御飯チンしてね……」
 
 信也は奈々葉に背を向けて、また寝息が聞こえ始める。
 
 浮気の二文字が菜々葉の頭をよぎった。
 
 ――ないか、それは……。
 
「うん……ありがと……」
 
 ――自分を棚に上げてる……私……。

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