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ダブル不倫

第10章 事件

 ――熱くて、固い……。
 
「部長……私たち…………いや、私が部長を守りますから……」
 
 奈々葉が里井のベルトを緩める。カチャカチャという鉄が当たる音が大音量の音楽に溶ける。
 
 チィ……。
 
 奈々葉の指が里井のジッパーを下げた。手のひらをその下の布に潜らせる。
 
 里井の指がボリュームを下げる。
 
「ダメ……」
 
「宮崎、お前の声が聞きたい」
 
 男性特有のムンと籠った匂いが、奈々葉の鼻腔を刺激する。
 
「汚いよ?」
 
 と、言う里井に、菜々葉は手探りで彼の固い肉の塊を取り出す。奈々葉の唇は里井と重なったまま……。
 
 里井の喉が鳴る。
 
 彼の先端を奈々葉の指が確かめるたび、「ああっ……」という息を飲むような声が漏れる。
 
 ニチャっという、先走りの音が小さく広がる。
 
「いっぱい出てますよ。ジッとしてて下さいね、部長……?」
 
「ああ……分かった」
 
「フフ……」
 
 指先で里井の塊をしごいた。
 
「ん……ああ……」
 
 里井の塊が大きさを増す。
 
「今日は素直……ですね、部長……?」
 
 奈々葉が運転席の里井の股間に顔を埋めた。チュッチュっと音を立てて啜り、時折先端にテロンとした感触が里井自身に絡みつく。

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