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男の友情・女の立場

第4章 犠牲

――最初に卓也がこんなことを言い出したとき、もちろん美羽はすごい剣幕で反抗した。

親友が落ち込んでいるからといって、自分の妻を差し出すなんて、今の日本で通用するのか、と耳を疑った。

こんなリクエストにOKを出す女なんているのか!?と美羽は思った。

しかし、美羽が結局は卓也の根気に負けてしまった理由は、卓也が彼氏として、また夫として《完璧》だったからである。


卓也と出会うまで男運の悪かった美羽は、彼の優しさと気配り、自分のことを思ってくれる愛情によって完全なる信頼をおいていた。

卓也のことで一度も腹を立てたこともなく、むしろ日増しに尊敬してくほどだった。

そんな卓也からの唯一といってよいのが、今回の《案件》だった。


そして、しぶしぶOKをした美羽は「じゃあ、手でしてあげればいいでしょ…さっさとやって終わらせるよ!」と吐き捨てた。


それに対して卓也は「いや、そうじゃないんだよ。満足できるように、好きなようにやらせてやってくれよ」と反論する。

美羽は涙を流しながら無言で了承したのだった。

その日のことを美羽は思い出し、一度は断った健太のクンニを受け入れた。

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