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第1章 おかえり








「ろしょおっ…ほんまにごめんッ…俺、俺っ」

「簓…もうええから、ちょっと黙り」



ごめん、と繰り返す簓の顎を掬い、
強く噛み締めたせいで少し切れた唇に口付ける。




「んっ、」

「おかえり、簓」




先程、簓がくれた言葉を
今度は俺が返した。

すると、最初は戸惑っていた簓が、
徐々に俺を受け入れ、背中に手を回す。






なあ、簓?
これからは俺が、お前の望む事全て叶えたる。

そうや、そうすれば……

お前はあいつを好きでも
ずっと俺の傍に居ってくれるやろ?

お前が、もういい言うまでずっと傍におる。

否、お前が俺をもう要らん言うたとしても、
お前を離さへん。

俺だけのもんや。

誰にも渡さへん。


なあ、俺は一生を掛けて、これまでの罪を償うよ。



「…なあ、簓…?」

「…ハァ…ろしょ…?」




名前を呼びながら簓をベッドに押し倒し、
簓が俺から逃げない様に
ある言葉を口にした。




「……誰よりも愛してる」




もう一度、深い口付けを落とす。


もう逃がさへん。


愛しい、愛しい、俺だけの簓。


いつか、俺の元に戻って……。
































-end-
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