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私、普通の恋愛は無理なんです。

第3章 セフレ候補

「かわいいですよね。宮崎さん……」
 
「……友だちか?」部長が流し目で厭らしく私に目をやった。
 
 私は「さあ……」と投げやりに言うと、「教えますよ。彼女のライン」と付け足す。私は、部長が座る黒い革張りソファーのような肘掛け椅子をくるりと自分のほうに九十度回した。骨張った部長の頬に私の頬を寄せた。その頬にそっと手を添えてそっと唇を合わせる。
 
 チュ……。
 
 冷たい唇からふわっとコーヒーの香りが鼻の奥に広がった。
 
「坂村、まだ仕事中だぞ。おい……」
 
 部長の股間をぐいっと掴んだ。唇を合わせたまま。
 
「いたっ!」
 
 部長の辛そうな声のあと、手のひらに芯のような固さを感じて、それはグンと背伸びを始める。部長の舌が私の唇の中で蠢く。私は自分の舌をプイっと逃して唇を熱い彼のそこから離した。
 
 不意を付かれたように彼の目が私の唇を追った。彼のものがスラックスの中で固さを増した。

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