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私、普通の恋愛は無理なんです。

第2章 プロローグ

 ラブホのエレベーターの中。壁ドンのように背が高く体格のいい榛名さんに包まれた。
 
 壁に押し付けられる。
 
 「ヤダ……」って言うのに、無視されて。
 
 まだ、部屋に上がるエレベーターの中。なのに榛名さんは唇を重ねてきた。
 
 セフレとはキスはしない。相手と割り切ったセックスをするために。
 
 
 
 部屋はエレベーターホールの突き当りにあった。
 
 ドアが閉まるか閉まらないかのタイミングで榛名さんに引き寄せられる。口の中がタバコの苦い匂いに包まれる。
 
「ああん、ダメですよお。キスは……」
 
 それはいつもお願いしてることだ。
 
「ダメ……なんで? もしかして出来た、好きなヤツ?」
 
「えっ……ヒミツ……」
 
 チェッ、榛名さんの舌打ちのあと「うん、もうしないよ」と言いながら、また唇が重なる。
 
「あっ、嘘つき」
 
 熱い吐息がでちゃう。ねっとりとした彼の舌が割り込む。私の舌を探る。
 
「私、本気になっちゃう……それに、キスはしない、って言ったら、榛名さんもそれでいいって……」
 
 だけど、そんな約束、榛名さんは一度も守ってくれなかった。
 
「いいじゃん、本気になっても……」と、一度離れた榛名さんの顔がまたアップになった。
 
 榛名さんの舌が私の舌に絡みつく。
 
「嫌っ……くっ……んんんっ……」
 
 榛名さんの苦い唾液で口の中が満たされる。お腹の奥が熱い液を絞り出して、ショーツに染みて気になった。

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