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それはインキュバスが教えてくれた。

第1章 プロローグ

 わたしは友梨奈。

 中学二年生のわたしは、本好きのお父さんに連れられて近所の本屋に行っていた。
 
 お父さんが行くのはコンピューターの雑誌。わたしも適当に中学生向けのコーナにある本を物色し、飽きた頃にお父さんの横でお父さんが読み終えるのを待つ。手元にある本をゴソゴソと捲る。
 
 中二のわたしの身体に衝撃が起こった。
 
 コンピューターのコーナの横にあった小さな棚はアダルトの棚。そこに平積みしてあった分厚い本の表紙を指で摘まむ。
 
 その最初のページのイラストに、有名なTという歌劇団に出てくるようなキレイな女の人たちが裸で抱き合っている姿があったからだ。金色に縁取られた紫色のカーテンのような天蓋のあるベッドの上で……。
 
 わたしの身体の奥から溢れだした熱いものがパンツに広がって、腰をモジモジさせていると、「おい、トイレはレジの……」とお父さんに言われて、トイレに駆け込む。

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