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それはインキュバスが教えてくれた。

第1章 プロローグ

 ドキドキした。
 
 小学二年生の頃からオナニーの経験はあったが、部屋以外というのは初めての経験だった。
 
 パンツを脱いで股の部分を確認した。染み込んだ透明な水ノリのような粘りがドーナツのようにベットリと貼り付いていた。わたしはそれをトイレットペーパーで拭き取って丸めて捨てた。
 
 本屋の静かなトイレの中で、わたしは自分のアソコに指を這わせる。イケないことをしてる自分の姿に興奮していた。ニチャニチャ、という蜂蜜が混ざるような音が個室の中に広がる。
 
「あ……、んんう……」
 
 指先で敏感な蕾に粘りを絡め、コリっとした感覚を楽しんだ。身体の奥の奥にキュンとする感じが貯まってゆく。初めての感覚に唇を噛んで耐えた。溢れる粘りを蕾に絡める。
 
 キュンという感覚がキュ、キューという絞り出すような感覚に変わる。
 
「ああ……ん……ん……」
 
 ガチャっと、個室の鍵が下りる音がした。

 わたしは手のひらで口を押さえる。また、身体の奥のキューが強くなる。イクという感覚の経験はなかったが、イクんだと思った。身体中に鳥肌が起つような感覚。掻きむしりたい衝動。固くなった乳首を指先で弄る。
 
「……っ、くぅ……ん……っ、っくっ……うんっ……」
 
 痙攣のようにキューという感じに息を飲んだ。身体をくの字に曲げて耐えた。

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