僕はアノ音を聞いてしまった。
第5章 ライチのように
「脱いじゃおう……淳也くんも……ほら、こうやって……」
マサミの筋肉質の両腕がバンザイの形に上がる。
「えっ、えっ……」
淳也がバンザイをすると、Tシャツがするりと抜き取られた。エアコンの風が素肌を撫でる。
「なかなか、いい身体つきじゃん。何かやってる? スポーツとか……ここも……ね?」
「……いや、別に……」
ペニスが冷たいものに包まれる。
――えっ……。何で……。
マサミの手がスーッと自分の根本に下り、再び先に戻る。淳也は自分のそこに目をやる。ジャージ下が膝まで下り真っ赤に充血した淳也自身が天を突くようにそそり立っていて、それに枝のように細いマサミの指が巻き付いている。
――ああ、ドアの所からずっと………。
ジャージ上げることさえ忘れていた。
恥ずかしさで淳也の耳が熱くなった。
マサミは淳也の前に跪いた。
「うふふ、耳まで真っ赤……」
耳たぶが冷たい指で冷やされる。