テキストサイズ

愛ってほんとにいいものですね

第1章 愛ってほんとにいいものですね

         5

 「さっき
  いました
  と言いましたね」
 「はい
  わたしも
  あまり詳しくは
  知らないのですが
  海外に行ったまま
  亡くなったそうです」
 「えっ
  死んだ
  そうですか
  死んでいたんですか」
 「はい
  わたしの
  大おばなのですが…」
 「死んだというのは
  はっきりしているの?」
 「はい
  わたしの祖父が
  遺骨を取りに行ったと
  聞いたことがあります」
 「そうですか」
 おじさまは、とても悲しそうに、しばらく何もおっしゃいませんでした。
 「おじさま?」
 「はい
  ああ
  ごめんなさい」
 「いえ」
 「恵と
  あなたが
  同じ名前なんて…」
 「それで
  驚かれれたん
  あっ
  驚かれたのですね」
 「そんなに
  敬語でなくてもいいですよ」
 「はい
  あっ
  いえ」
 おじさまは、またあの素敵な笑顔で、にこっとされました。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ