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美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜

第7章 君は私の彼氏でした!?



えっ、待って。
あれで付き合う事になっちゃうものなの?
それが普通なの?

交際経験のない私にはさっぱりわからない。
チラリとお兄ちゃんの方を見ると、興味がなくなったのか平然として焼きソバを食べている。

え……
わからない……誰か教えて。

彩奈を見ると、真っ赤になっているであろう私の顔を見てフッと笑うと、自分の焼きソバを食べ始めてしまった。

え?え?!
その笑いはどういう意味?!
一人でパニックになる私。

「花音、体育祭の事覚えてないの?」

メソメソと涙を流しながら、ひぃくんが私の顔を覗き込む。

「覚えてる……けど」

あれで彼女になっちゃうものなの?
……私にはよくわからない。

「花音は俺のお嫁さんだよ?彼女だからね?絶対に離婚なんてしない」

ひぃくんはそう言うと、私に抱きついてまたメソメソと泣き出す。

え……。
やっぱり……私ひぃくんの彼女なの?
そうなの?

最近、やたらとスキンシップの激しくなったひぃくんを思い出す。
確かケーキを食べていた時は口を舐められた。
さっきだって「あーん」なんて、普通に喜んで食べてしまった……。

私は呆然としたまま、ゆっくりとテーブルへ視線を移す。
私の手に握られたかき氷の器が汗をかき、冷んやりとした水滴が指を伝ってポタリとテーブルへ落ちた。

そっか……
私彼女だったんだ。
……あれで彼女になっちゃうんだ。
知らなかったよ……。

メソメソと泣きながら抱きつくひぃくんをそのままに、私はテーブルにできたいくつもの水滴を見つめながら、ただ呆然とそんな事を考えていたーー。

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