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周りを林に囲まれた屋敷。車が近づくと門が自動で開いた。車はその中を進み入り口で止まった。

「さ、降りなさい」

女性に言われるままに車を降りた。手荷物は何も無く数百円しか入っていない財布ともうすぐ止まるスマホが一台だけ。通っていた学校の制服のままだった。

女性は屋敷の扉を開けた。豪華な作りの内装。高そうな絵が飾られている。

「さ、こっちよ」

通された部屋のソファーに女性は座った。短いタイトスカートの中に思わず視線を向けてしまう。

「まぁ、なんとなくわかると思うけど、、貴方のお母さんの借金、ここで働いて返してもらうわ」

「やっぱり母は僕を捨てたんですね」

なんとなくは良太も気付いていた。突然いなくなり母親の貴重品だけがなくなっていたからだ。その前から家も空けることが多くなっていた。

「そうね。催促の連絡も取れないし、返済も半年前から止まっているわ。だから私の方であの家も売ったわ。だから良太君、貴方はこれから私の下で働いてもらうの」

女性はジャケットを脱ぎながらそう言った。
良太に選択の余地は無かった。帰る家は無いしお金もない。仕事は何かは分からなかったが良太はうなずいた。普通ならそんな返事はしないのだろうが半ばどうでも良くなっていたからだ。

「私は冴子。ある企業の社長よ。貴方はこれからこの屋敷で住み込みで働いてもらうわ。内容は、、そうね。私の命令は絶対。いいわね？」

「はい」

こうして良太はこの日から屋敷で働く事になった。