インターセックス
第16章 東尋坊からの再出発 (最終章)
東尋坊に着いたのは、午後5時半位だった。
夕暮れ時とあってあまり観光客もいない。
しずかな夕暮れの東尋坊の景色は、圧巻だった。
静かに沈む夕日。
雄大な岸壁に打ち付ける白波がオレンジ色に染まっていく。
なんて美しいのだろう。見ているだけで心が洗われていく。
何もかも忘れられるそんな気分に酔いしれていた時、聞き覚えのある声が私を呼ぶ。
「かのん先輩! 駄目です! 早まっちゃだめです」
振り返るとそこには、隆一とすばるの姿がある。
駆け寄ってくる2人。
「夏音、大丈夫か?」隆一くんが聞いてくる。
2人がここに来た事に驚いてしまった。
「あれ? どうしたの貴方たち」
「落ち着け夏音。早まった事をしないで!」
すばるが泣いている。
「だめです。死んじゃだめです!」
「何言ってんの?」
「だって、飛び降りる気なんでしょ?」隆一が言う。
やっと意味がわかった。私が飛び降り自殺するんじゃないかと心配して駆けつけてくれたんだと。
「あー、ごめんね。心配かけて。でも大丈夫よ。飛び降りないから」
「よかったー。もう心配しちゃったよ。自殺しちゃうんじゃないかって」
「夏音先輩!」
夏音の腕に絡みつくすばる。
「私、東尋坊の夕日、見に来ただけよ。でも良く解ったわね。ここに来る事が」
「バイトの時に東尋坊に行った話を聞いていたから、ここかなって思って。夏音が飛び出してすぐにすばるちゃんに連絡して来たんだ。ここに居なかったらどうしようと思ってたけど、良かった、ここで会えて」
「ごめんね。私、限界を感じちゃって、もう学校やめようかって思ったの。何もかもリセットしたいなって。でもね、ここに来て夕日見ていたら気持ちが変わったわ。もう一度チャレンジしてみようって」
「もう一度チャレンジするって学校に来るってこと?」
「そう、逃げてばかりいても同じことの繰り返しでしょ。だから、思い切ってカミングアウトしてみようかと思うの」
「そうか、それならば僕も協力するよ。きっと皆わかってくれるよ」
「すごいです。先輩! 私も協力します」
すばるが私を見上げ微笑んでいる。
夕暮れ時とあってあまり観光客もいない。
しずかな夕暮れの東尋坊の景色は、圧巻だった。
静かに沈む夕日。
雄大な岸壁に打ち付ける白波がオレンジ色に染まっていく。
なんて美しいのだろう。見ているだけで心が洗われていく。
何もかも忘れられるそんな気分に酔いしれていた時、聞き覚えのある声が私を呼ぶ。
「かのん先輩! 駄目です! 早まっちゃだめです」
振り返るとそこには、隆一とすばるの姿がある。
駆け寄ってくる2人。
「夏音、大丈夫か?」隆一くんが聞いてくる。
2人がここに来た事に驚いてしまった。
「あれ? どうしたの貴方たち」
「落ち着け夏音。早まった事をしないで!」
すばるが泣いている。
「だめです。死んじゃだめです!」
「何言ってんの?」
「だって、飛び降りる気なんでしょ?」隆一が言う。
やっと意味がわかった。私が飛び降り自殺するんじゃないかと心配して駆けつけてくれたんだと。
「あー、ごめんね。心配かけて。でも大丈夫よ。飛び降りないから」
「よかったー。もう心配しちゃったよ。自殺しちゃうんじゃないかって」
「夏音先輩!」
夏音の腕に絡みつくすばる。
「私、東尋坊の夕日、見に来ただけよ。でも良く解ったわね。ここに来る事が」
「バイトの時に東尋坊に行った話を聞いていたから、ここかなって思って。夏音が飛び出してすぐにすばるちゃんに連絡して来たんだ。ここに居なかったらどうしようと思ってたけど、良かった、ここで会えて」
「ごめんね。私、限界を感じちゃって、もう学校やめようかって思ったの。何もかもリセットしたいなって。でもね、ここに来て夕日見ていたら気持ちが変わったわ。もう一度チャレンジしてみようって」
「もう一度チャレンジするって学校に来るってこと?」
「そう、逃げてばかりいても同じことの繰り返しでしょ。だから、思い切ってカミングアウトしてみようかと思うの」
「そうか、それならば僕も協力するよ。きっと皆わかってくれるよ」
「すごいです。先輩! 私も協力します」
すばるが私を見上げ微笑んでいる。