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インターセックス

第16章 東尋坊からの再出発 (最終章)

 運転手さんが私に尋ねてくる。
「あのーお客さん高校生みたいやけど、どっからきたん?」
「千葉県です」
バックミラー越しに私を見ている。
「一人旅かね?」
「……」
「ほやって、何か心配事でもあるんかね。ちょっこし寂しそうな顔やけん」
「はあ、ちょっと悩みがありまして。気分転換に東尋坊の景色見ようかと思って」
「なんね? 心配事って」
「……」
「いやね、東尋坊は、身投げしちゃう人もおるんで、一応ね、一人旅の女の子には、声かけとるのよ」
「身投げですか。あんな高い所から落ちたら死んじゃいますよね」
「そやそや、死んじまうで。死なんかて大怪我じゃすまんで。痛いで、落ちたら。ほやけん早まった事せん方がええでぇ」
「大丈夫です。飛び降りません。私、本当に東尋坊の夕焼け見たいだけなんです」
「そぉかー、そりゃすまんかったね。ほや、もうすぐ夕暮れや、今日は、天気いいで夕焼けも綺麗やで」
「ありがとうございます。心配してくれて」
「なんのなんの、気にせんといてな」

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