インターセックス
第11章 信頼
夏休みがやってきた。
これから福井県までアルバイトに行く。人生初のアルバイトだ。
福井県あわら市にある旅館でバイトする。私の母の生まれ故郷坂井市の隣に位置する。
母の出自は、謎だった。母の事は、朧気な記憶しかない。
どうして、私を残して旅立ってしまったんだろう。
恨んでいるわけでは、ないのだがどうしても訳を知りたい。
母の墓参りを兼ねて親戚の経営する旅館に行く事にした。
着替えや勉強道具は、もう郵送してある。リュック1つの軽装で家を後にした。
母が心配そうに見送る。
「何かあったら連絡よこすのよ」
「大丈夫だって。楽しんでくるから。じゃあね」
一人旅なんて初めてだ。
少し不安だが。ワクワクする方が勝っている。
新幹線を乗り継ぎ電車に揺られ約8時間かかった。
目的地の『あらわ湯のまち』に到着した時には、すっかり暗くなっていいた。
駅から出ると旅館から迎えの車が来ていた。
駅前で待つ男性が声を掛けてきた。
「川谷さんかね」
「そうです。今日からアルバイトでお世話になります川谷夏音です」
「そっかい、遠い所つかれたやろ?」
「少し、疲れました」
初めて経験する長旅で疲れて足が何だかふわふわと地につかない。
「さ、はよのりんさい」
用意された車に乗り込み駅を後にする。
10分ほど走ると清楚な佇まいの旅館に着く。
そこは、街なかにひっそりと佇む和風の旅館だった。
引き戸を開けて中に入ると女将が出迎えてくれた。
「いらっしゃいませ」深々とお辞儀をする。
「こんばんわ。私、今日からバイトでお世話になります川谷夏音です」
「まあまあ、長旅で疲れたでしょ。はよ、おあがんなさい」
広い玄関を上がると奥へと長い通路が続いている。
「この先にお風呂場があるんよ。2階が夏音ちゃんのお部屋になってるから。それと、お部屋には、もう一人バイトの子がおるんで仲良くしてな」
通路の途中から右手に階段がある。その階段を上り更に奥へ行くと引き戸の部屋がある。
部屋の引き戸を開けると若い女性が立っていた。
女将が、その女性を紹介してくれた。
「この子バイトの椎名美月ちゃんや。色々分からんことは、この子に聞いてな」
「私、川谷夏音と言います。初めてのバイトでわからないことだらけなので宜しくおねがいします」
「椎名です。よろしくね。まあ、入って」
これから福井県までアルバイトに行く。人生初のアルバイトだ。
福井県あわら市にある旅館でバイトする。私の母の生まれ故郷坂井市の隣に位置する。
母の出自は、謎だった。母の事は、朧気な記憶しかない。
どうして、私を残して旅立ってしまったんだろう。
恨んでいるわけでは、ないのだがどうしても訳を知りたい。
母の墓参りを兼ねて親戚の経営する旅館に行く事にした。
着替えや勉強道具は、もう郵送してある。リュック1つの軽装で家を後にした。
母が心配そうに見送る。
「何かあったら連絡よこすのよ」
「大丈夫だって。楽しんでくるから。じゃあね」
一人旅なんて初めてだ。
少し不安だが。ワクワクする方が勝っている。
新幹線を乗り継ぎ電車に揺られ約8時間かかった。
目的地の『あらわ湯のまち』に到着した時には、すっかり暗くなっていいた。
駅から出ると旅館から迎えの車が来ていた。
駅前で待つ男性が声を掛けてきた。
「川谷さんかね」
「そうです。今日からアルバイトでお世話になります川谷夏音です」
「そっかい、遠い所つかれたやろ?」
「少し、疲れました」
初めて経験する長旅で疲れて足が何だかふわふわと地につかない。
「さ、はよのりんさい」
用意された車に乗り込み駅を後にする。
10分ほど走ると清楚な佇まいの旅館に着く。
そこは、街なかにひっそりと佇む和風の旅館だった。
引き戸を開けて中に入ると女将が出迎えてくれた。
「いらっしゃいませ」深々とお辞儀をする。
「こんばんわ。私、今日からバイトでお世話になります川谷夏音です」
「まあまあ、長旅で疲れたでしょ。はよ、おあがんなさい」
広い玄関を上がると奥へと長い通路が続いている。
「この先にお風呂場があるんよ。2階が夏音ちゃんのお部屋になってるから。それと、お部屋には、もう一人バイトの子がおるんで仲良くしてな」
通路の途中から右手に階段がある。その階段を上り更に奥へ行くと引き戸の部屋がある。
部屋の引き戸を開けると若い女性が立っていた。
女将が、その女性を紹介してくれた。
「この子バイトの椎名美月ちゃんや。色々分からんことは、この子に聞いてな」
「私、川谷夏音と言います。初めてのバイトでわからないことだらけなので宜しくおねがいします」
「椎名です。よろしくね。まあ、入って」