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インターセックス

第13章 親友

 新学期が始まり登校する。
早速登校中の電車内で吉川隆一くんから声を掛けられた。
「よー、おはよう」
「おはよう。隆一くん」
「どうだった? アルバイト」
「あー、バイトね。楽しかったわよ」
「大変だったろ。旅館って」
「うん、まあね。朝早いし、夜も結構遅くまで仕事だし」
「夜まで? 通しなの?」
「そうでもないわ。昼間、中休みがあってその時間は、結構自由だったわ」
「へー、俺もさコンビニでバイト三昧。って言うかバイト生活で夏休み終わっちゃったよ」
「どこか遊びに行かなかったの? 海水浴とか」
「俺、泳げねーし。友達に誘われたんだけどさ。バイトの日程と合わなくってさ」
「ふーん。隆一くん泳げないの?」
「川谷さんは、泳げるの?
「泳げない」
「なんだ、一緒じゃん」

 泳げないのには、訳がある。ぴったり体の線が解る水着は、着られない。
ましてやスクール水着なんて別世界の話しだった。
学校での授業でプールに入る時には、いつも見学していた。

「川谷さん。何だか雰囲気変わったね」
「そお?」
「前より明るくなったし。バイト先で何かあったの? ひと夏の経験とか」
「何よ、ひと夏の経験って。バッカじゃないの。するわけ無いじゃん。彼氏もいないのに」
「でも良くあるじゃない。真夏の海で大人の出会いって」
「あのさー、私ってそう言う風に見える? だいち海水浴行ってないし」
「そうだよな。バイト三昧だもんな」
「今度、プール行こうか。一緒に」誘ってみたが本気じゃなかった。
「えー、どうしたの? 何か変わっちゃたね」
「いやなら、いいけど」
「いや、そんな事無い。行こう! うん、行こう」
と、その時だった後ろから突然声を掛けられる。
「あれー、二人共随分仲がいいのね」
振り返ると同じクラスの女子だった。名前が出てこない。
彼女とは、一度も話をした事は、なかった。
「ああ、おはようございます」私は、少し戸惑ってしまった。

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