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インターセックス

第14章 発覚

 私は、今日あった出来事を全て話した。
「そうか、とうとう知られてしまったか。お父さんが助けてあげられれば良いんだが。法律的な事なら何でも力を貸せるんだけどな。カラオケでの出来事は、脅迫罪で告訴できるけど、同級生相手に訴えたりできないだろう。お父さんからは、アドバイスしかできない」
「ごめんね、忙しいのに」
「いいんだよ、いくらでも相談に乗るよ。一つの方法だけどカミングアウトって方法もある。それは、両刃の剣みたいな物だけど」
「両刃の剣って?」
「ああ、解ってくれる人もいるけど、どうしても受け入れてくれない人もいる。只々興味を持つだけの人もいる。色々な人がいるけどそれを覚悟で告白する勇気が必要だね」
「そんな勇気ないわ。人に言うなんてとても出来ない」
「そうだね。無理は、しない方がいい。どうにもならなければ学校を辞めればいい」
「中退って事?」
「今は、通信制の高校や、ネットでの高校もある。選択肢は、いくらでもある。悩んで命を削ってまでして行かなくたっていいんだよ」
「そうだね。そう言う考え方もあるのね。気持ちが少し楽になったわ」
「それと、ちょっと気になるのは、ゆいちゃんの事だね」
「ゆいちゃんの事、裸の写真の事?」
「そう、最近お父さんが扱った事件で女性を食い物にしている大学生がいるんだよ」
「食い物って?」
「大学生の立場を利用して色々な女の子と交際してお金を採取するんだ。裸の写真を撮ったりしてそれをネタにお金を巻き上げて借金までさせて搾り取るだけ搾り取って最後は、どこかに売ってしまう。彼らの始末に置けないのは、それをビジネスだって言い張っている。しかも、その大学生を操っている人たちもいる」
「たいへん! ゆいちゃんがそんな事に巻き込まれているの?」
「いや、誤解しないで『そう言う事もあった』って話だから。ゆいちゃんがそうだとは、限らない。でも、よく調べたほうがいいと思うよ」
「心配だわ。よく調べてみるわ」
「気をつけてね微妙な問題だから、ゆいちゃんを傷つけてしまわないようにね。それと何か解ったら深入りせずお父さんに相談してね。危険だから」
「危険ってどうして?」
「ああ、大学生を操っている人たち『半グレ』って言うんだけど結構、危ない人らしい」
「わかった。なにか解ったら知らせるね。ごめんね遅くに。おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」

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