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インターセックス

第15章 初恋

「消えて無くなりたいって、死にたいと思ったの?」
「そうよ、何度も死んでしまいたいと思ったわ」
「僕には、正直わからない。でも、どんなに悲しいか、苦しかったか想像できる。夏音をこれ以上悲しませないよ。僕だったら」
「ありがとう。隆一」
涙が溢れ泣いている私をそっと抱きしめてくれた隆一。
私は、隆一を抱きしめながら胸の中で泣いてしまった。
「さあ、戻ろう。白石さんが来る前に」
そう隆一くんに促され涙を拭きながら理科準備室を後にした。


 その時、理科準備室の中で隠れていた白石さんが私達をスマホで動画を撮っていたなんて想像もしていなかった。

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