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逆ハー戦隊シャドウファイブ

第17章 17 ピンクシャドウ対ブラックシャドウ

「なぜ、こんなこと、するんですか?」
「理由か? 単純なことだ。世界平和が目的だ」
「そんな……」
「凡人には分かるまい。人は平気で裏切り、地球を破壊する。わたしが創り上げる怪人は決してそのようなことはないのだ」
「シャドウファイブのみんなは、人を裏切らないし、環境も大事にしています。そういう人も今、いっぱい増えています」
「ふんっ、そのシャドウファイブが裏切りの張本人だとしたら?」
「まさかっ! 絶対そんなことないです」
「お前には何もわかるまい。もうお喋りはここまでだ」

ブラックシャドウは立ち上がり、メンバーたちに近づいていく。ああ、もうだめなのかな。でも時間を稼いだおかげで私にも力が戻ってきた。ふらつくが何とか立ち上がれる。

「ま、待ちなさい! メンバーに何もさせません!」

ブラックシャドウの肩をつかもうと手を伸ばす。しかし、足がぐらつき転んでしまい、ブラックシャドウの黒衣のすそを引っ張った。

「きゃっ」
「うわっ!」

ドシンと倒れ込むとそこはブラックシャドウの胸の上だった。

「お前は、さっきからメンバーを助けようとしているのか。それともわたしを誘惑しようとしているのか」
「え、誘惑なんかしてません」
「このビッチめ」
「!」
「どうやってこのメンバー全員を垂らし込んだんだ」
「た、たらしこんだ?」
「普段から順番に寝ていたんだろう。この汚らわしい女め」
「ひ、ひどい……」

なんてひどい言われ方なんだろう。こんなに悲しい気持ちになったのは初めてだった。元カレに振られた時もここまで悲しい気分にならなかった。

「う、ふっ、ひっ、くっ」
「おい。なんだ一体」
「う、うううっ、う、あーーん、あーーん」

大人になって初めて子供のように声を上げて泣いた。身体もクタクタで、やる気もいきなりそがれ、傷ついた私はもう声を上げて泣くしかなかった。

「わ、悪かった。泣くな、くそっ、どうすれば」

ブラックシャドウはおろおろし始め、私をなだめようと必死に頭を撫でたり、涙を拭ったりするが、もうなんだかどうでもいい気分だった。

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