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逆ハー戦隊シャドウファイブ

第19章 19 ラストバトル

「すぐに離れろ!」
「はい!」

メンバーみんなでブラックシャドウから遠ざかる。ものの数秒ほどで、ブラックシャドウは胸を押さえ悶え始めた。

「グウウッ、ウウウッ」

四つん這いになったブラックシャドウは、段々と身体が小さくなってきた。

「やった。成功か?」
「元に戻ってるのか」

やがて元通りの体格に戻りブラックシャドウはごろりと仰向けになった。レッドが近づきブラックシャドウに話しかける。

「平気か?」

ブラックシャドウは視線だけをレッドに寄こし、静かに笑んだ。

「お別れだ……」
「え?」
「もう俺の身体はもたない」
「何を言ってるんだ。解毒剤飲んだだろ」
「2本のドーピングは無理があった。1本じゃ無理だ」
「じゃあなんでそんなことしたんだよ!」

シャドウファイブに囲まれてブラックシャドウは静かに話す。

「寂しかったんだ。最後にぱーっと賑やかにやってから死にたかった」
「ばかやろう!」

どうしよう。私のせいだ。私が解毒剤3本も飲んだから!

「ごめんなさい! 私のせいです! 何でもしますから! お願い! 死なないで!」

ブラックシャドウの胸にすがりつき、叫ぶ私の頭を彼は優しく撫でる。

「俺はフェミニスト、だか、らな……」

頭に乗せられていた手がするっと地面に落ちた。

「!!!」
「黒彦!!!!」
「やだああああーーーーー!!!!」

静かな廃墟に私の号泣する声が響き渡った。

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