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逆ハー戦隊シャドウファイブ

第22章 22 逆ハー戦隊の解散

 黒彦さんと緑丸さんについて『イタリアントマト』に向かう。体格のいい緑丸さんと、カンフー服姿の黒彦さんが並んで歩いていると、何かアクション映画の撮影でも始まりそうな雰囲気だ。
商店街で行き交う人たち、特に女性がチラチラ彼らを見ている。女性が振り向くたびに、彼女は今、黒彦さんを見たのだろうかと、気になっていた。

『イタリアントマト』につくと、ちょうど赤斗さんがメニューの書いた黒板を片付けて、クローズドのプレートを出しているところだった。

「いらっしゃい」
「こんにちは」
「ちょっと早かったか?」
「いや、もうこれ終うだけ。入って」

 店の中はがらんとしていて、4人掛けのテーブルを二つくっつけ、すでにグラスと取り皿と瑞々しいグリーンサラダがあった。

「私、お手伝いします」
「そう? ありがとう。じゃあ出してもらおうかな」
「はい」

私は手伝うため、厨房に入る。寸胴の大きな鍋がぐつぐつと音を立てている。マグマのように赤い、こってりしたソースが煮られている。

「いい匂いですね」
「うん。昨日から仕込んでおいたラグーソース。黒彦たぶん、まともなもの食べてなかっただろうからさ」

 赤斗さんは黒彦さんのために前もって準備しておいたのだ。真っ赤なラグーソースのかかったパスタとゴルゴンゾーラのピザを運ぶと、白亜さん黄雅さんと青音さんも座っていた。

「やあ、桃ちゃんお手伝いご苦労様」
「いえ。もうみんないるんですね」
「うん。赤斗に揃ったって伝えて」
「はーい」

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