逆ハー戦隊シャドウファイブ
第24章 24 教えておじいさん
ぼんやり歩いていると『もみの木接骨院』の裏の庭で、緑丸さんのおじいさんが太極拳の練習をしているのが見えた。
おじいさんはゆったりとした動きの中に力強さを秘め、優雅で本当に不死鳥のように見える。美しい無駄のない所作に見入っているとおじいさんが私に気づいた。
「おや? どうした? そんな暗い顔をして」
「おじいさん……」
「明日休みじゃろ? ちょっとお茶でもしていかんか」
おじいさんは優しい顔で私を誘ってくれる。
「お邪魔してもいいですか?」
「もちろんじゃ。いつでも歓迎じゃよ」
精神的に疲れてしまった私はおじいさんについつい甘えてしまい、お茶をご馳走になることにした。
裏口から接骨院のスタッフルームに入り、腰かけているとおじいさんは甘い花の香りのするお茶を淹れてくれた。
「はあーいい匂い」
「そうじゃろうそうじゃろう。お前さんのために、とっておきを出してきてやったぞ」
「と、とっておき……」
詳しく聞くと緊張して飲めなくなると思うので、黙って味わうことにした。
「さて。はなしてごらん」
「おじいさん……」
何でもわかっているのだろう。私の気持ちも黒彦さんの不安も。おじいさんと話していると一般常識や道徳で頭ごなしに否定されることがないので安心して話せる。
「実は黒彦さんが……」
さっき『黒曜書店』での二人の話をおじいさんに話す。
おじいさんはゆったりとした動きの中に力強さを秘め、優雅で本当に不死鳥のように見える。美しい無駄のない所作に見入っているとおじいさんが私に気づいた。
「おや? どうした? そんな暗い顔をして」
「おじいさん……」
「明日休みじゃろ? ちょっとお茶でもしていかんか」
おじいさんは優しい顔で私を誘ってくれる。
「お邪魔してもいいですか?」
「もちろんじゃ。いつでも歓迎じゃよ」
精神的に疲れてしまった私はおじいさんについつい甘えてしまい、お茶をご馳走になることにした。
裏口から接骨院のスタッフルームに入り、腰かけているとおじいさんは甘い花の香りのするお茶を淹れてくれた。
「はあーいい匂い」
「そうじゃろうそうじゃろう。お前さんのために、とっておきを出してきてやったぞ」
「と、とっておき……」
詳しく聞くと緊張して飲めなくなると思うので、黙って味わうことにした。
「さて。はなしてごらん」
「おじいさん……」
何でもわかっているのだろう。私の気持ちも黒彦さんの不安も。おじいさんと話していると一般常識や道徳で頭ごなしに否定されることがないので安心して話せる。
「実は黒彦さんが……」
さっき『黒曜書店』での二人の話をおじいさんに話す。