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逆ハー戦隊シャドウファイブ

第28章 28 日常

 たまにメンバーが様子を見に来てくれるというか、私を誘ってくれた。

「ねえ、桃。そろそろカットにこない?」
「ああ、そうですね。バタバタしてて全然美容院にいけてませんでした」

 白亜さんが私の毛先をいじる。そういう時に勘が働くのか必ず黒彦さんはやってくる。まるでシャドウファイブのメンバーが怪人を見つける速さだ。お店に監視カメラ付いていたっけ?

「何をしている」
「えー。何もしてないけどー。今月のヘアカタでも買うかなあー」
「いつも届けてやっているだろう」
「そうだっけ。まあいいや、じゃあ桃またね」
「はい。ありがとうございました」
「まったく抜け目のない」
「みんな黒彦さんを気にかけているんですよ」

 白亜さんが店を出る前に投げキッスをしてくれた。黒彦さんは気づいていないようなので黙っていた方がよさそうだ。

「明日は休みだな」
「そうですね」
「また新作のアイテムを開発した。楽しみにしていろ」
「えー。またですかあ?」
「戦いがマンネリするだろう」
「ま、まあ。そうですかねえ」

 ブラックシャドウとシャドウファイブの戦いは、もう本気で戦っているわけではない戦隊ごっこだが、何しろ私以外全員、元化学者たちなので本格的だった。

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