逆ハー戦隊シャドウファイブ
第6章 6 アンティークショップ・紺碧
「うわー! かっわいいっ! このチェック!」
「うふふっ。市松模様っていううのよ。大正のアンティーク着物なの」
「へええっ! あ、何も知らなくてすみません」
「いいのよ。今の若い子は着物着ないし。ここで少しでも覚えていくと良いわ」
「ありがとうございます」
シルクなんだろう、優しい光沢と柔らかい手触りと、袖がシャラシャラ音を立てて擦れる。薄いサーモンピンクと白の市松模様に赤い帯が良く映える。
ちょうどそこへ青音さんがやってきて私を上から下までじーっとゆっくり眺める。
「うん。いい。桃香は寸胴でメリハリがないからよく似合う」
「え、ず、ずんどう……」
ショックで口がきけないままでいるが青音さんは気にすることなく「じゃ、店の方にきてね」と言い部屋を出て行った。
桂子さんがそっと私の肩に手をのせ「あらあら、桃香さん。今のはすごく褒められたのよ?」と優しく微笑む。
「え? そうなんですか?」
「ええ。お着物ってね。身体を強調するものじゃなくて、精神を表しやすいのよ。だから良く似合ってるってことは、桃香さんの心が青音にとってとっても素敵だって言ってるのと同じなの」
「心、ですか」
「そう。心。特に青音は肉体美にはあまり目がいかないわねえ。外国暮らしが長かったせいかしら。ボンキュッボンの人たちに囲まれてうんざりしたとか言ってたし」
「ボンキュッボン……」
どちらかというとそっちになりたい。欧米化したい……。
「うふふっ。市松模様っていううのよ。大正のアンティーク着物なの」
「へええっ! あ、何も知らなくてすみません」
「いいのよ。今の若い子は着物着ないし。ここで少しでも覚えていくと良いわ」
「ありがとうございます」
シルクなんだろう、優しい光沢と柔らかい手触りと、袖がシャラシャラ音を立てて擦れる。薄いサーモンピンクと白の市松模様に赤い帯が良く映える。
ちょうどそこへ青音さんがやってきて私を上から下までじーっとゆっくり眺める。
「うん。いい。桃香は寸胴でメリハリがないからよく似合う」
「え、ず、ずんどう……」
ショックで口がきけないままでいるが青音さんは気にすることなく「じゃ、店の方にきてね」と言い部屋を出て行った。
桂子さんがそっと私の肩に手をのせ「あらあら、桃香さん。今のはすごく褒められたのよ?」と優しく微笑む。
「え? そうなんですか?」
「ええ。お着物ってね。身体を強調するものじゃなくて、精神を表しやすいのよ。だから良く似合ってるってことは、桃香さんの心が青音にとってとっても素敵だって言ってるのと同じなの」
「心、ですか」
「そう。心。特に青音は肉体美にはあまり目がいかないわねえ。外国暮らしが長かったせいかしら。ボンキュッボンの人たちに囲まれてうんざりしたとか言ってたし」
「ボンキュッボン……」
どちらかというとそっちになりたい。欧米化したい……。