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逆ハー戦隊シャドウファイブ

第7章 7 再会

 しばらく怪人の出現はないが、夜のパトロールに行くことになった。私は青音さんと一緒に近隣を回る。このパトロールは、シャドウファイブのバイクに乗らず青音さんの車に乗って普段着なのでまるでドライブデートのような気持ちになってしまう。ただ箱型の車はお店の商用車なので段ボールが何個か乗っていてガタガタうるさく、あまりムードはなかった。

「ん? あそこで何か揉めているな」
「どこですか?」

相変わらず鋭く目がいい青音さんの目線を懸命に追っていると、歩道で若い女の子が酔っ払いに絡まれているのが見えた。

「怪人じゃないけど……」
「あ、あのこ……」

私の後輩の吉田麻衣だった。もう過去のこととはいえ元カレの事を思い出すと胸が苦しい。

「まあ放っておいても平気かな」
「あ、待ってください」
「ん? 助ける?」
「……」

どうしよう。酔っ払いのおじさんに手をつかまれ彼女は半泣きだ。しかし1人でこんな夜道に何をしているんだろう。中村達矢は何をしているんだろう。

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