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逆ハー戦隊シャドウファイブ

第12章 12 おじいさんによる恋バナ

「おっ、そこじゃ、良いのう。丁寧でよろしい」

ハンドマッサージに、これまでのメンバーたちのお店のバイトでの経験が生きている気がする。全く関係のない職種のようだが、人でもモノでも丁寧に扱うことを教わってきた。心を込めて優しくしっかり丁寧に。これが意識できていると思うだけで、私は随分この短期間で成長させてもらったなと感謝している。

「歳をとるとなあ、誰も触ってくれんのじゃよ。話をするのもいいがなあ。ほんとに歳を取ると触れ合いがないんじゃ。子供なら母親と触れられるし、年頃なら友達とでも手をつないだり、肩を小突いたりとか何かしら触れる機会はあるがの」
「そうなんだ……」

そうか。それでおじいさんはセックスの話ばかりするのかもしれない。おばあさんを亡くして20年以上経つと言っていたし。

「まあ、わしは施術するから若いこの身体を良く触るがの!」
「ちょっ!」

同情しかけて損した。まったく抜け目のないおじさん。だけどいつの間にか、このおじいさんの事が大好きになっていて一番相談する相手になっていた。

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