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金曜日のおじさま

第16章 dieciséis

「銀行に行くって言ってたよ」

「ただいま。ビー、どこ行ってたの?」

「おじさま…ごめんなさい」

ビアルネスは怯えたようにティオ見ないように俯いてた。

「ん、なにに謝まってるの?」

「戻るのが遅くなっちゃって…心配してたってキャスが」

「あぁ、うん…」

今度はティオが視線を逸らした。

◆ ◆
この後、アサクラからラインが頻繁に来るようになった。

《今日は楽しかった》
《またお茶しよね》
《まだ仕事中かな?》
《おやすみ。まだ寝ないけどねww帰ったらラインして!》

帰りの車中でラインに気づいて見たときはドキッとした。

【ごめんなさい。ずっと見てなくて、
お店に来てくれるのは嬉しいけど、お茶とかはムリかも】

《こんな時間まで仕事なの?
大変だね〜これじゃ、デートも出来ないねww》

ビアルネスは困っていた。すぐ隣でティオは運転中で、ほかの男とラインしているなんて申し訳ない気持ちでいっぱいになっていた。

なにも言ってないのにティオのマンションに帰り、お泊まりすることに…

「一緒にお風呂入ろう」

ティオはお風呂の準備をして、ササっと部屋を片付ける。

ビアルネスを裸にするとタオルにソープを付けて丁寧に洗いはじめる。

「おじさま…」

「ん?どうした」

オッパイを洗いながら返事をするティオ。

「ん、くすぐったい…あっ…ダメ…」

ビアルネスは敏感に反応する。

どうしよう…アサクラさんのこと言った方がいいのかな?
心配させちゃうかな…

「今日は疲れたか?明日頑張れば休みだよ」

ボンヤリしているビアルネスをお風呂に浸からせて、自分を手早く洗い流す。
ゆっくりお湯に浸かっていつもより長めに温まった。

ベッドに横になるとティオはビアルネスを抱きしめてそれ以上手を進めなかった。

「今日は我慢するよ。ビー疲れてるだろ?」

「ビーは大丈夫だよ」

「明日ゆっくり出来るから…」

そう言いながらティオは眠りに落ちた。

(そっか、おじさまの方が疲れてるんだ)

グーグー寝息を立ててティオは泥のように眠っている。

チカチカ

スマホの画面が光る。

《興奮して眠れない!明日仕事なのにヤバイ》
《もう寝る!おやすみ》

それから夜明けまでラインは届かなかった。

《おはよう、今日も行くよ〜今から楽しみww》

アサクラは後輩を連れて店に来た。

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