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Melty Life

第3章 春



 知っている、と、小野田は言った。あかりが比較的難易度の高い高校を目指すきっかけとなった、上級生。彼女にいだく感情が、他の女と関係を持てないほどの重みを伴っているということくらい、あかりの話しぶりからして容易に察せた。そう言って、小野田は唇の端を上げた。

 その上で、小野田はあかりを求めていた。

 小野田には加虐的な側面があった。本人曰く、あけぼのに広がる真っ新な雪を踏み荒らす快楽。澄んだ硬質な宝石を、特別な刃先で傷つけるような優越。


 …──私なら貴女を、いくらでも守れる。これだけ助けてあげているんだから、お礼にこれくらい何でもないよね?


 殺意を研磨しながら、世間体の問題だけで、娘に可視的な損傷をつけまいとして抑制している両親。彼らの下で生まれ育ったというあかりの境遇自体が、小野田の性感を刺戟していた。選択肢のない少女の弱みにつけこんだ淫らごとに、彼女の脚と脚の間は洪水を起こしていた。

 そうしてびっしょりと濡れた赤い割れ目を開いて、寝台に尻をうずめた小野田は、あかりを見下ろしていた。


 舐めて……イかせて。


 濡れた女特有の匂いと、豆電球にぼんやり浮かんだ白い脚。それがあかりの脳をとろかす。縮毛に囲われた、柔らかすぎる腟口に唇を寄せて、舌を伸ばした。無色透明の粘液は、奔放な野生の匂いを強めて、ツンとした味覚をしみつかせてくる。小野田の喘ぎが、頭上に注ぐ。

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