
Melty Life
第5章 本音
* * * * * * *
翌週は、月二回ある朝礼が行われる月曜からの始まりだった。
昨日までの土日、あかりは眞雪と、久し振りに部活やアルバイトの休みがとれたともかと玲を含めた四人で過ごした。
夜通し騒いで、昼間は街を歩いたりともか達の近況を聞いたりしながら、時折、あかりは水和とLINEを交わした。演劇部の稽古に出ていた水和は、まだ解決しきれていないだけに、他の部員達が万が一の時は教師達から匿うつもりでいてくれたという。結局、何事もなかったらしいが。
「おはようございます、皆さん」
毎日十時間睡眠でもしているのではと勘繰るほど爽やかな来須が登壇すると、そこかしこから、控えめながら黄色い声が上がった。夢見心地の歓声こそないにしても、男子生徒にも人気の来須は、未だ休日気分の抜けない彼らの眠気覚ましにもなったようだ。
教師達を満足させる、模範的な生徒ならではのスピーチをこなした来須は、そこで一端、区切りをつけた。
「生徒代表として皆さんに聞いて欲しい話は、以上です。続いて僕個人から、今日はお話ししたいことがあります。もうしばらく、お付き合い願えますか」
「大丈夫です!アンコール上等です!」
「来須様ぁぁっっ」
「貴方のお話なら、永遠でも聞いていられます……!!」
これが学校長や教員なら、あからさまに不快な顔を見せるに違いない生徒達は、ともすればここがライブ会場だと勘違いでもしている調子で、来須の言い出しに頷いている。
あかりの隣で、とりわけ仲の良いクラスメイトも苦笑いを隠せない様子だ。二人して目配せして、来須の人気ぶりに抵抗の意を示す。他の生徒達が目を輝かせている分、少しくらいこういう反勢力がいても良い。
