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Melty Life

第2章 初デート








 人生初と言っても間違いではない、あかりがさんざん悩んで決めた洋服は、紺とグレーのタータンチェックが入った臙脂色のパンツタイプのサロペットに、肩空き部分がメッシュ素材で肌が少し透けて見える、白い絵の具をスパッタリングした感じの加工が部分的に入ったカットソー。アシンメトリーの巻きスカートが重なったサロペットは、腰元に同布の蝶結びが付いていて、比較的ゴテゴテした手持ちの黒い編み上げブーツとバランスがとれた。

 派手じゃないか、と、眞雪に意見を求めると、あまり抑えた服装も、水和の隣では浮くだろうと彼女は答えた。


「はぁぁ〜……普通にカッコイイ……。相手があの花崎先輩じゃなかったら、あかりの勝利確定なのに」

「花崎先輩以外が守備範囲広かっただけでしょ。それに、それなりに女子とは遊んできて分かった。向こうも遊びだった。付き合うかってなると、私もスペック足りないんだろうな」


 あるじの好きなものを素直に集めてコレクションした感じの、眞雪の私室。広さこそないにしても、ピンクや白が多くを占める彼女の部屋は、そこはかとなくふんわりとした香りが漂う。

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