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Melty Life

第2章 初デート



 水和のピンク色のコートが覆っていたのは、チョコレート柄のワンピースだった。
 ビスチェ風の身頃は、デコルテ一周に溶けたストロベリーチョコレートのダイカット切り替え装飾が施されていて、同系色の大きなリボンが胸元を飾る。全体はホワイトチョコレート。ローウエストから広がるスカートは、裾に小さなピンク色のリボンとパフが散りばめてあって、とりあわせの丸襟ブラウスもピンク色、後ろ襟にウサギの耳が垂れている。


「本日はようこそお越し下さいました。メニューがお決まりになりましたら、お呼び下さい」

「有り難うございます」

「あの、お客様達……」

「はい」

「すっごく!当店の雰囲気にお似合いですね!」


 施設のオリジナルキャラクター達が至るところに見られるカフェは、メニューも彼らに因んだものが主流だ。開放感溢れる客席では、あちこちで、あかり達と同世代くらいの少女達が仮装用カチューシャを着用して、カメラを向け合っていた。

 今しがたあかり達を案内してくれた店員も、ピンクと白が基調の、機能性よりデザイン重視といった具合の制服姿だ。にこにことした笑顔を張りつけて、特にアイテムも装着していない新規客を見比べながら、純粋な目をきららかせている。

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