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Melty Life

第2章 初デート



「そうですか?有り難うございます」

「私もそういうの好きなんです。ロリィタとかで遊びに来たくなりますよね〜」

「お姉さん似合いそう!制服もお似合いです」

「えっ、嬉しい!ではではまたー」


 店員が可愛らしい一礼を残して、小動物の仕草で立ち去っていった。他のテーブル席に呼ばれたらしい。


「こわ……こわかった……」

「ええっ、どうかしました?!」

「あ、ごめん。違うの、苦手とかじゃなくてね、私、人にファッションチェックされるの良い思い出なくて……」

「先輩が?!あ、過去にストーカー付いちゃったとか?そいつ殺してきましょうか」


 …………。


「ふふっ、そんなはずないじゃない。でも愉快な想像だね。今のでなごんだ」



 今の数秒の沈黙は、何だったのか。

 疑問より、今また水和の謎めいた一面が、あかりのフィルターを通して、一種の魅力として処理されてしまった。


 キャラクターメニューが見た目だけではない、というのは、玲のような、この手のカフェに常日頃から出入りしている女子なら決まって口にしがちな文句だが、あながち信憑性はあった。

 届いた料理は、どれも熱々。notインスタント(多分)。素材厳選(多分)。

 メルヘンチックな世界観はもちろん死守され、且つ地中海料理というジャンルも確立された品々は、わざわざ弁当を持参してまで、ピクニック気分を決め込もうとする客を見かけなかったのにも納得のいくクオリティだった。

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