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Melty Life

第2章 初デート


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 クラスメイトにお土産を買って、写真を撮って、パレードを観て、普段は話題にもしないキャラクター達に扮したキャストらを追いかけて、インドア派でも楽しめるアトラクションにはしゃいで、傍目からすればもう何年もの付き合いにもなる間柄に見えるかも知れない雰囲気で、雑談に花を咲かせていると、くすんだ空の群青は、いつしか深まっていた。


 とりどりの光でめかし込んだ園内は、幻想性が増した分、あかりの胸を締めつける。

 宇宙に迷い込みでもしたようだ。ライトアップされた眺めは、それこそ魔法でもかかったのではないかと思うほど、煌びやかだ。幕を閉じようとしている一日が、人の手によって、最後の抵抗とばかりに延ばされようとしている。


「お待たせしました、ミルクティーで良かったですか」

「有り難う。夜ご飯は、私が奢るね。レシート貸して」

「気にしないで下さい。先輩に交際費は負担させられません。まだあと一人残ってるのに」


 水和の隣に腰を下ろして、あかりはロイヤルミルクティーとダブルチョコレートドーナツを彼女の手前に差し出した。そして残りのストレートティーとストロベリーチュロスを、自分の方に配置する。パンナコッタの二つセットは分ける予定だ。ランチがしょっぱい系だった反動で、二人、夕餉は夜景を眺めながらのスイーツにした。

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