女子寮の今年の下働き男子は
第1章 こそどろ騒動
みゆきとくみは、部屋の相方同士になることが決まっていた。親から離れて暮らす必要上、精神的に落ち着いて過ごせるようにとの配慮だ。
「え…っと、201号室は、ここかな?」
2階の端の部屋を指さした、みゆき。
「そうみたい、だね」
くみはうなずき、受付で渡されたキーを、その部屋のドアのカギ穴に差し込んだ。カチャッと開錠された。
室内は、3LDKになっている。
リビングと勉強室、それにキッチン・ダイニング・トイレ・浴室・洗面所は、共用。
寝室は、天井から仕切りのカーテンを下ろせば、視覚的には密室の2部屋(それぞれセミダブルベッドが置いてある。なぜシングルでないのか?)になるが、音は丸聞こえである。
みゆきは、ふと浴室が気になった。
「お風呂、どんなかな~?」
とひょいと、のぞいてみた。
ところが。
そこに、黒ずくめのいかにも怪しそうな男がいて、空の浴槽の中にしゃがんでいた。
「ギャアアアア~~~ッ???」
みゆきは、もちろん大声で悲鳴を上げ、リビングのほうに走って逃げた。
「なに?どうしたの?」
「ふ…、不審者がお風呂に!」
くみも驚き、みゆきと共に這う這うの体で部屋を逃げ出した。
寮長室は、寮の1階にある。
「寮長先生、寮長先生!」
2人の女子はどたばたとそこに駆け込むと、叫んだ。
「ふ、不審者が、部屋に」
「何ですか?二人とも。騒がしくするんじゃありません。どんな時でも落ち着いて、冷静沈着に」
「…あ、はい。…寮長先生、部屋に不審者がいました」
「わかりました」
とメガネをかけたアラフォーくらいの女子寮長が、手にさすまたを持って立ち上がった。
「え…っと、201号室は、ここかな?」
2階の端の部屋を指さした、みゆき。
「そうみたい、だね」
くみはうなずき、受付で渡されたキーを、その部屋のドアのカギ穴に差し込んだ。カチャッと開錠された。
室内は、3LDKになっている。
リビングと勉強室、それにキッチン・ダイニング・トイレ・浴室・洗面所は、共用。
寝室は、天井から仕切りのカーテンを下ろせば、視覚的には密室の2部屋(それぞれセミダブルベッドが置いてある。なぜシングルでないのか?)になるが、音は丸聞こえである。
みゆきは、ふと浴室が気になった。
「お風呂、どんなかな~?」
とひょいと、のぞいてみた。
ところが。
そこに、黒ずくめのいかにも怪しそうな男がいて、空の浴槽の中にしゃがんでいた。
「ギャアアアア~~~ッ???」
みゆきは、もちろん大声で悲鳴を上げ、リビングのほうに走って逃げた。
「なに?どうしたの?」
「ふ…、不審者がお風呂に!」
くみも驚き、みゆきと共に這う這うの体で部屋を逃げ出した。
寮長室は、寮の1階にある。
「寮長先生、寮長先生!」
2人の女子はどたばたとそこに駆け込むと、叫んだ。
「ふ、不審者が、部屋に」
「何ですか?二人とも。騒がしくするんじゃありません。どんな時でも落ち着いて、冷静沈着に」
「…あ、はい。…寮長先生、部屋に不審者がいました」
「わかりました」
とメガネをかけたアラフォーくらいの女子寮長が、手にさすまたを持って立ち上がった。