幸色の卒業を君に捧げる
第1章 幸色の卒業を君に
「それ、あなたに関係ある?」
「関係大有りよ!私は三上晴。一雅はクラスメイトに興味ないかもしれないけど、同じクラスの委員長!」
「知ってるけど」
同じクラスだから何だというのか。
「え?」
「だから何?」
「意外...周りに興味ないかと思ってた」
私のことをなんだと思っているのか。
高校3年生になり、クラス替えして間もないとは言え、クラス委員の顔と名前くらいは覚えている。
「まぁ、あながち間違ってないけど。あなた、わりと私のタイプの顔してるから」
「...?」
そこまでは知らないのか。
まぁ、いいや。どうせ死ぬんだし。
「私、レズビアンなんだよね。まぁ、それが原因でイジメられてるんだけど」
この事が知れて私の周りは全部なくなった。
理解してもらえるなんて期待した私がバカだった。
人は自分と違うものは認められない。
ただ、それだけのこと。
「っ...ねぇ、一雅」
「...?」
「あと1年だけ生きてみない?」
「っ...//」
「私があんたの彼女になってあげる」
彼女は私の両手を包むように優しく握ると天使のような穏やかな声でそう囁いた。