幸色の卒業を君に捧げる
第1章 幸色の卒業を君に
「それって、私が1年間自殺しない替わりにあなたと私がお付き合いするってこと?」
彼女は私の問いかけに俯き小さく頷く。
「ふふっおかしなこと言うのね。あなた」
まさか、こんな提案をされるとは思ってもみなかった。
変な子...
「っ...きれい」
「え?」
「一雅。あんた笑うとすごく綺麗」
そう口にした少女が見上げた真っ直ぐな瞳に私の濁った瞳が映る。
「...別に」
(一雅は本当美人だよね。私、一雅の笑顔好きだなぁ~)
おぼろ気な記憶が浮かぶ。
そういえば、あの子もそんなこと言ってたっけ
「彼女になってあげる...ね」
随分と上から目線なセリフだ。
どれだけ自分に自信があったらそんな告白が出来るのか。
可愛いくて、クラスの人気もので、自分に自信ががあって。。
私もこんなふうになれていたら、死のうとなんて思わなかっただろうに。
「かずま...?」
「まぁ、良いけど」
「え?」
彼女の言葉を借りるなら。
「彼女にしてあげても良いよ」
ちゅっ
そう言って抱き寄せると、くりっとした真ん丸な瞳を見開いた彼女の小さな唇に軽くキスをおとす。
「っ...///」
初めてのキスのように頬を赤く染めた彼女を不覚にも可愛いと思ってしまった。
こうして私は三上晴の彼女になったのだった。