数珠つなぎ
第8章 僕らは認めない
「ぅ…ん」
ゆっくり目を開けると見慣れない天井。
ここは……どこ?
重い身体を起き上がらせようとしたら、手が何かに包まれていた。
それは俺の知っている温もり。
そこには俺の手を握ったままベッドにひれ伏して寝ている潤。
その潤の背中にはブランケットがかけられている。
誰がしてくれたんだろう……
カチャン…
ドアの開く音がすると、薄暗い部屋に照明の灯りが差し込む。
「雅紀、起きたの?」
ひょっこり顔を覗かせたのは和也だった。
「俺……」
「ちょっと待って。智、雅紀起きたからお水持ってきて」
後ろを振り返り伝言すると、『はーい』と智の返事が聞こえた。
「雅紀、大丈夫?」
静かにベッドに近づくと、俺のおでこに手を当てた。
「うん、熱は下がってるね」
和也は俺に安堵の表情を見せた。
「和也、持ってきたよ」
小声で智が入ってくると、俺にミネラルウォーターを差し出す
「はい。顔色……良くなったね」
「あ…ありがとう。俺……」
「潤……起きて」
どうしたのって聞こうとしたら、和也が潤の身体を揺らした。
「寝てるからいいよ」
「ダメ。雅紀の事、心配してたんだから」
「ぅ…ん」
目を擦りながら潤が上半身を起こした。
「まさ…き、雅紀っ!」
勢いよく潤は俺に抱きついてきた。
「大丈夫?大丈夫?」
すぐに身体を離すとペタペタと俺の顔に何度も触れる。
「たぶん、熱も下がってるから大丈夫」
戸惑う俺を察したのか、横から和也が声をかけた。
「良かった」
潤がまた俺をギュッと抱きしめた。
「和也」
智が目配せをすると和也は頷いた。
「ここ使って。俺たちはあっちで寝るから」
「でも智たちが……」
「いいから……ね?」
「ありがとう。智、和也」
2人は潤の言葉ににっこり笑って寝室を出た。
「俺、一体……」
「雅紀…っ」
一層強く俺を抱きしめた。
「潤?」
……震えてる?
「今日は……寝よ?」
必死に絞り出した潤に俺は何も言えなかった。
互いに俺たちは抱きしめ合って眠った。
望んだ明日が来ない明日を迎えるために……
ゆっくり目を開けると見慣れない天井。
ここは……どこ?
重い身体を起き上がらせようとしたら、手が何かに包まれていた。
それは俺の知っている温もり。
そこには俺の手を握ったままベッドにひれ伏して寝ている潤。
その潤の背中にはブランケットがかけられている。
誰がしてくれたんだろう……
カチャン…
ドアの開く音がすると、薄暗い部屋に照明の灯りが差し込む。
「雅紀、起きたの?」
ひょっこり顔を覗かせたのは和也だった。
「俺……」
「ちょっと待って。智、雅紀起きたからお水持ってきて」
後ろを振り返り伝言すると、『はーい』と智の返事が聞こえた。
「雅紀、大丈夫?」
静かにベッドに近づくと、俺のおでこに手を当てた。
「うん、熱は下がってるね」
和也は俺に安堵の表情を見せた。
「和也、持ってきたよ」
小声で智が入ってくると、俺にミネラルウォーターを差し出す
「はい。顔色……良くなったね」
「あ…ありがとう。俺……」
「潤……起きて」
どうしたのって聞こうとしたら、和也が潤の身体を揺らした。
「寝てるからいいよ」
「ダメ。雅紀の事、心配してたんだから」
「ぅ…ん」
目を擦りながら潤が上半身を起こした。
「まさ…き、雅紀っ!」
勢いよく潤は俺に抱きついてきた。
「大丈夫?大丈夫?」
すぐに身体を離すとペタペタと俺の顔に何度も触れる。
「たぶん、熱も下がってるから大丈夫」
戸惑う俺を察したのか、横から和也が声をかけた。
「良かった」
潤がまた俺をギュッと抱きしめた。
「和也」
智が目配せをすると和也は頷いた。
「ここ使って。俺たちはあっちで寝るから」
「でも智たちが……」
「いいから……ね?」
「ありがとう。智、和也」
2人は潤の言葉ににっこり笑って寝室を出た。
「俺、一体……」
「雅紀…っ」
一層強く俺を抱きしめた。
「潤?」
……震えてる?
「今日は……寝よ?」
必死に絞り出した潤に俺は何も言えなかった。
互いに俺たちは抱きしめ合って眠った。
望んだ明日が来ない明日を迎えるために……