数珠つなぎ
第8章 僕らは認めない
【智side】
カランカラン……
昨日、和也と訪れた喫茶店。
「いらっしゃい」
いつもの様にカウンターで読書中だったマスターが、立ち上がって俺たちを出迎えてくれる。
奥のテーブル席に俺と和也、雅紀と潤がそれぞれ隣り合わせで座った。
「注文は……どうしますか?」
マスターがお冷をテーブルに並べていく。
「どうする?」
少し緊張気味の雅紀と潤に小さなメニュー表を渡した。
黙ってメニューを見る2人。
「ごめん、智のおススメでもいいかな?」
「うん、わかった。いつものを4つ下さい。あと、椅子をひとつここにいいですか?」
「かしこまりました。待ち合わせの方はどうしますか?」
俺は潤に目線を向けた。
「アイスコーヒーでいいと思う」
潤の元上客だから好みは大丈夫だろう。
「じゃあ、それでお願いします」
「はい、かしこまりました」
いつもよりも丁寧な俺とマスターの対応が少しだけ歯がゆかった。
マスターはカウンターにあるアンティークな椅子を俺と潤の間に置くと、注文のした飲み物の準備を始める。
心地のよいジャズが流れているけど、誰も心も癒していないだろう。
雅紀と潤は緊張の面持ちで、それぞれ一点を見つめている。
和也の方にチラッと目をやると、下を向いたままギュッと膝の上の握っている拳を見つめていた。
「お待たせしました」
マスターの声にようやく全員の目線が同じ場所に移った。
コースターと飲み物が並べられる。
カランカラン…
次に全員の目線はドアへと向かう。
そこには昨日出会った人。
ゆっくりとこちらに近づいてくる。
「どうぞ」
潤が立ち上がると、用意していた椅子に座るように促した。
「ありがとう」
「良かったら……飲んでください。俺たちも…な?」
俺の言葉でそれぞれが緊張でカラカラになった喉を潤した。
「お話しても……いいですか?」
遠慮がちに周りを確認する。
するとマスターが何かを察してくれたみたいで、入り口のドアを開け、ノブにかけてあった看板をCLOSEにした。
「ごゆっくり」
そう言ってカウンターの裏へと入っていった。
カランカラン……
昨日、和也と訪れた喫茶店。
「いらっしゃい」
いつもの様にカウンターで読書中だったマスターが、立ち上がって俺たちを出迎えてくれる。
奥のテーブル席に俺と和也、雅紀と潤がそれぞれ隣り合わせで座った。
「注文は……どうしますか?」
マスターがお冷をテーブルに並べていく。
「どうする?」
少し緊張気味の雅紀と潤に小さなメニュー表を渡した。
黙ってメニューを見る2人。
「ごめん、智のおススメでもいいかな?」
「うん、わかった。いつものを4つ下さい。あと、椅子をひとつここにいいですか?」
「かしこまりました。待ち合わせの方はどうしますか?」
俺は潤に目線を向けた。
「アイスコーヒーでいいと思う」
潤の元上客だから好みは大丈夫だろう。
「じゃあ、それでお願いします」
「はい、かしこまりました」
いつもよりも丁寧な俺とマスターの対応が少しだけ歯がゆかった。
マスターはカウンターにあるアンティークな椅子を俺と潤の間に置くと、注文のした飲み物の準備を始める。
心地のよいジャズが流れているけど、誰も心も癒していないだろう。
雅紀と潤は緊張の面持ちで、それぞれ一点を見つめている。
和也の方にチラッと目をやると、下を向いたままギュッと膝の上の握っている拳を見つめていた。
「お待たせしました」
マスターの声にようやく全員の目線が同じ場所に移った。
コースターと飲み物が並べられる。
カランカラン…
次に全員の目線はドアへと向かう。
そこには昨日出会った人。
ゆっくりとこちらに近づいてくる。
「どうぞ」
潤が立ち上がると、用意していた椅子に座るように促した。
「ありがとう」
「良かったら……飲んでください。俺たちも…な?」
俺の言葉でそれぞれが緊張でカラカラになった喉を潤した。
「お話しても……いいですか?」
遠慮がちに周りを確認する。
するとマスターが何かを察してくれたみたいで、入り口のドアを開け、ノブにかけてあった看板をCLOSEにした。
「ごゆっくり」
そう言ってカウンターの裏へと入っていった。