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夢現、その後

第1章 忘却ショコラティエ

ノ`∀´ルo[side ⓜ]o

銀紙を剥いたチョコレートを
まな板に乗せて、均一なリズムで
細かく刻んでいく。

戸棚の上にあるパッドとボウルをふたつ、
シンクに降ろす。

刻んだチョコレートをボウルに移し、
沸いたお湯をもうひとつのボウルに注ぐ。
一通り湯気が逃げたところで、
溢れないようにそっとチョコレートの入った
ボウルを重ねる。

…と、ここまでただの
チョコレート湯煎テクニックしか紹介してないな。

うぅ、と背伸びをする。
ここのところ、忙しくて
ろくに休息も取れない日が続いていた。

忙しさの最中にいると、案外疲れは
自覚しにくいものだけど、合間、
ふと時間ができると途端に肩が重くなる。

歳、かなぁ。
グループ最年少と言えども、齢36。
アラサーよりアラフォーのほうが近くなり始めている。

ぼんやりと思案しながらふと顎を触ると、
髭がだいぶ伸びていたことに気付かされる。
そういえば洗面にも立たずに、此処に来たんだっけ…

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