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ワルキューレの朝ごはん

第5章 闇

ユダヤ王ヘロデは兄の妻だった女(ヘロデヤ)を娶った事を非難した洗礼者(ヨハネ)を捕らえて

幽閉していた。線礼者(ヨハネ)を恨んでいる王妃ヘロデヤは

王の誕生日の宴会で自分の連れ娘に踊りを披露させその褒美としてヨハネの首を所望させた。

中世以降、多くの芸術家がこの退廃と残酷に溢れた物語を取り上げた、何時の頃からかヨハネ

の首を所望したのは「サロメ」自身であるように描かれた。

壮麗な宮殿の広間に出現した何やらどす黒い血を滴らしているヨハネの首と対峙するサロメ。

その首はサロメにしか見えない幻影である、と云うのは定説

になっているが、互いの視線を交える両者は何を感じたのか?

「人間を魂の情報ごと保管する技術か?なるほど、これを応用すれば、もーっと面白いことに使えそうだな。ね、ヨハネ!」

少女の振り向いた先には学者風の醜男。おそらく少女によって顕現した使い魔の類だろう。

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