愛が、メロディにのって
第1章 愛が、メロディにのって
3
「私は
滝川といいます
滝川望です
学習塾を経営しています」
「わたしは
宮本百合です」
「よろしくお願いします」
「こちらこそ
弾けますように
精一杯お手伝いします」
望さんは、熱心に通ってきました。
はじめはたどたどしかった鍵盤の押さえかたも、いまではすこしスムーズにできるようになってきました。
望さんが、音楽が好きだということも、よくわかりました。
チャイコフスキーやワルツなど、メロディのきれいな曲が好きだと言いました。
わたしと同じでした。
わたしと望さんは、音楽以外でも、好きなものが同じということが、たくさんありました。
そんなある日、小学三年生のなつみちゃんが怪我をしました。
よそ見をしていてピアノの蓋を閉じたので、指を挟んでしまったのです。
ウワーンと泣き声がしたので見ると、なつみちゃんの左手から血が床に垂れています。
救急車と誰かが叫びましたが、
「いや
この先の服部外科がいい
救急車は
連絡したりして
時間がかかるし
総合病院に行く」
「私は
滝川といいます
滝川望です
学習塾を経営しています」
「わたしは
宮本百合です」
「よろしくお願いします」
「こちらこそ
弾けますように
精一杯お手伝いします」
望さんは、熱心に通ってきました。
はじめはたどたどしかった鍵盤の押さえかたも、いまではすこしスムーズにできるようになってきました。
望さんが、音楽が好きだということも、よくわかりました。
チャイコフスキーやワルツなど、メロディのきれいな曲が好きだと言いました。
わたしと同じでした。
わたしと望さんは、音楽以外でも、好きなものが同じということが、たくさんありました。
そんなある日、小学三年生のなつみちゃんが怪我をしました。
よそ見をしていてピアノの蓋を閉じたので、指を挟んでしまったのです。
ウワーンと泣き声がしたので見ると、なつみちゃんの左手から血が床に垂れています。
救急車と誰かが叫びましたが、
「いや
この先の服部外科がいい
救急車は
連絡したりして
時間がかかるし
総合病院に行く」