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愛が、メロディにのって

第1章 愛が、メロディにのって

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 望さんが、なつみちゃんに、
 「おじさんが
  病院に
  連れていってあげるね」
 そして、わたしに、ほかの子どもたちは帰して、なつみちゃんのお母さんに連絡をしてと言いました。
 「先生
  慌てないで
  鍵をかけ忘れないで
  後で来てください」
 そう言いながら、泣きじゃくっているなつみちゃんに、タオルで押さえていてねと言い、抱きかかえて服部外科に速足で向かいました。
 「痛いよね
  そうか痛いよね
  大丈夫
  病院ですぐみてもらおうね」
 と、優しく言いながら。
 三年生の女の子といっても、抱いたまま歩くのは大変です。
 それを、怪我とわかったらすぐに抱いてあげて、わたしにも的確な指示をして、速足で約300m先にある服部外科まで躊躇なく行ってくれました。
 望さんの、逞しさと優しさを感じました。
 幸い、なつみちゃんの指の骨は折れておらず、打撲傷と切り傷という診断でした。
 なつみちゃんのお母さんも、わたしに迷惑をかけましたと言い、話のわかる方でした。
 「滝川さん
  ありがとうございました」
 「いえ
  なつみちゃん
  骨が折れていなくて
  よかったですね」
 「はい
  わたしだけでしたら
  救急車を呼んでいたと思います
  ほんとに
  ありがとうございました」

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